ブラックジャックを探せ

大腸がんゲノム療法のエース 聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科・腫瘍センター長、砂川優さん

砂川優医師

がん治療は、手術で切除できるなら切るべきだ。しかし、その時期を過ぎている場合は、化学療法などでがんの進行を食い止める治療に移行する。これが従来のがん治療で、最も難しい領域だった。

「従来の化学療法の基本的な考え方は、『薬を使って効果を見る』というもの。つまり、やってみなければわからない治療だったのです」

そう語るのは聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科の砂川優医師。大腸がんに対する化学療法の分野で頭角を現すエース・ドクターだ。

砂川医師によると近年、化学療法の考え方が大きく変わってきたという。

「大腸がんの発生部位と、特定の遺伝子の異常の有無を調べることで、大腸がんを大きく3つに分類するのです。それぞれの分類ごとに効果の証明された薬剤の組み合わせがわかってきたので、効率的な治療が可能になりました」

もう一つ、砂川医師が取り組むのが「遺伝子パネル検査」を用いたがんゲノム医療の確立だ。

「大腸がんの腫瘍にはさまざまな遺伝子異常が含まれています。この異常は個人個人の腫瘍ですべて異なり、中には抗がん剤治療の効果が期待できる遺伝子異常を認めることがあるのです。現在の抗がん剤治療の開発は遺伝子異常に基づいて行われているので、こうした異常が見つかった患者さんは最適な治療につながる可能性があります。すでに遺伝子パネル検査を用いて遺伝子異常を調べる『がんゲノム医療』が保険適用されるなど、“治療の個別化”は、進歩しています」

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