だがバイク自体が若者に人気がないわけではなく、昨今は小型の250cc程度のバイクが若者に人気がある。
だが、決してヒエラルキー的に大型バイクがその先の目標であるというわけではない。無駄に目立たずに、コンパクトに便利な存在が求められているのだ。
実際、晴れた週末に高速のサービスエリアなどに行くと、大型バイクの集団をよく見かける。皆一様に、真っ黒なヘルメットに、厳ついレザージャケットなどを身にまとい、まるで世紀末アウトローのいで立ちだ。
いったいどんな「凶悪」な者たちなのだろうかと思うが、ヘルメットを脱ぐと普通のオッサンである。
私などもその中の1人であるが、まさにそれが、今の若者が感じる大型バイクに対する違和感の理由の一つなのかもしれない。その乖離(かいり)を理解しておくことは大事だ。
しかし、最終的には若者のイマドキの価値観なんて適当にあしらっておけばいい。『イージー・ライダー』に憧れ、昭和を大型バイクとともに駆け抜けてきた私たちには関係ない。
黒いヘルメットの中から「輝く頭皮」が出てくることになっても、ここまで乗り続けてきたのだから、残された人生は好き勝手にさせてもらうと言い放とう。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。『すばる』で小説『女優』を連載中(全3回)。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。
