大手中古車店に行ったところ、人気車種は数年落ちでも値段設定が高く、数キロしか走っていないような新古車に至っては新車より高い値段だったという。バカバカしくなって買う気がうせたとお怒りなのだ。
この状況には私も言葉を失った。需要と供給で値段が変わるのは自由主義経済の基本だが、プレミアムクラシックカーでもない現行中古車が新車よりも高い値段になるというのは、明らかに便乗値上げの「ボッタクリ」である。
それを物欲任せで買うのは個人の自由だが、本来の価値を逸脱した値段で買っても、後々損をするのは分かり切ったこと。バブル崩壊を忘れたのだろうか。
コロナ禍がもたらした「物欲」などがいつまでも続くわけがないと思うのだが、こんな状況の勢いは衰えないという。
プレジャーボートやバイクなど、趣味性の強い乗り物においても、同様に異常な高騰が起きているらしく、実際に一部の業者は空前の好景気だという。
バカバカしい限りだが、こうなるとコロナバブルといわざるを得ない。
台風のときに増水を見に行ったりするとロクなことがないのと同じで、こういうときは余計なことをしないでジっとしているのが一番だ。
だが、川が増水していると誰かが騒ぐと、自分も見に行きたくなるのも人情なのだが…。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。
