虎のプリンス伝説 SHINJYOメモリアル

(12) 「僕は一切見ないことにしてます!」大ひんしゅく食らった〝データ完全無視宣言〟1/2ページ

データ無視で1993年に自己最多23本塁打をマークしたが…
データ無視で1993年に自己最多23本塁打をマークしたが…

日本ハムの〝BIGBOSS〟こと、新庄剛志新監督(49)がスターへの階段を駆け上がった阪神の若手時代。当時の番記者が「トラのプリンス」の事件簿を紐解きます。

口は災いの元とはこのことか。すっかり人気者となった新庄が軽はずみな発言で、チーム内から大ひんしゅくを食らう一件があった。

1994年2月に高知県安芸市で春季キャンプ中、報道陣を前に「スコアラーの方からいろんな情報、データをもらいますが、僕は一切見ないことにしてます! データ通りにいくほど勝負は甘くない。どの球を狙うかとかは僕には合わないんです。自分のストライクゾーンをドーンと打てばいいんですよ」と、堂々の〝データ完全無視宣言〟をぶち上げたのだ。

スポーツ紙は軒並み大きく取り上げたが、これを聞き捨てならなかったのがスコアラー陣だ。新庄の言い分は「データを気にしすぎると逆に打てなくなる」という、ある意味で一般論ではあったが、チームのため選手のためと相手投手の1球1球を徹底分析し、現場に報告するのが仕事の裏方としては、メンツをつぶされたも同然だった。

「データを見ないなら見ないでもいい。そんな選手はほかにもいる。だけど『一切見ない』と得意げに言うことはないだろ。われわれだって時には徹夜して、長時間かけてデータを作ってるんだ」と怒りの声が噴出。別のスコアラーなどは「かき集めたわれわれのデータは参考にしてくればいいこと。何も新庄に『こうしろ、ああしろ』とは言ってない」と憤慨し、「そんなことまで言われたら新庄のためにデータは作らない」とまで言い切ったほどだった。

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