昭和のことば

エスビー食品CMのセリフ「インド人もびっくり」(昭和39年)1/1ページ

ある特定の国や人種をネタにする。絶対にダメというわけではないが、何となく「用心」として排除せざるを得ない。「ポリコレ」(ポリティカル・コレクトネス)という名の「風潮」に人々はびっくりの世の中である。

この年、エスビー食品から発売された「特製ヱスビーカレー」のCMの中のセリフ。本場である「インド人もびっくり」してしまうほどのおいしいカレーだという「名(迷?)コピー」である。まだ日本にインド人のなじみがなく、「カレーのおいしい国の人たち」という(いいかげんな)イメージを、そっくりそのまま映像化したのがウケた。商品を前に、若き日の芦屋雁之助演じる「インド人」が白黒画面の中で「びっくり」と手を挙げた。

この年の主な事件は、「米大使ライシャワー氏、少年に刺され負傷。輸血時に『黄色い血問題』発生」「海外観光旅行自由化」「ビール・酒類、自由価格へ」「M7・5の新潟地震発生。被災者10万人」「東京で水不足深刻化。『東京さばく』ということばが流行」「初の営業モノレール、浜松町―羽田空港間開業」「巨人の王貞治、本塁打年間55本の日本新記録樹立」「東海道新幹線が開業」「東京五輪開催」「池田勇人内閣が総辞職し、佐藤栄作内閣が成立」など。

三浦綾子が『氷点』を発表。雑誌『平凡パンチ』が創刊。海外からの客人を見越し、ホテルやデパートの拡張も盛んに行われた。

インド、アフリカ、未開の島。日本になじみの薄かったさまざまな人々をイメージし、多くの物語が作られた。たしかにそれは偏見に満ちあふれていた。だが、それも情報が少ない時代の貴重な歴史の一コマであった。 =敬称略 (中丸謙一朗)

〈昭和39(1964)年の流行歌〉 「お座敷小唄」(松尾和子&和田弘とマヒナスターズ)「アンコ椿は恋の花」(都はるみ)「東京五輪音頭」(三波春夫)

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