中小企業の後継者不足が深刻化しています。順調なのに跡継ぎが見つからず、泣く泣く廃業する企業が後を絶ちません。人手不足だけが原因ではありません。特に多いのは、創業者のこだわりが強すぎて「後を託せない」ケース。創業者自身が発想を変えなければ、姿を消す企業は増えるばかりでしょう。
そんな中、大阪府吹田市で料理教室を営む「いんやん俱楽部」では、主力事業を変えることで持続可能な企業に生まれ変わる決断をしました。
創業者の梅崎和子さんは、ヘルシー料理のカリスマ。これまで『旬を丸ごと生かす食卓』(講談社)や『養生スープとごはん』(主婦の友社)など多くの料理本を執筆し、主婦たちに絶大な支持を得てきました。
カリスマ創業者の事業継承ほど難しいものはありません。梅崎さんは約40年にわたり、アトピーなどアレルギーを持つ子供に安心して食べさせられる料理を考え出しては、一つひとつ丁寧に教えてきたのです。この努力とセンスは、親族でもマネできません。
しかし、カリスマも年には勝てません。梅崎さんは数年前から真剣に事業継承を考えるようになりました。最も大切にしたのは、現在の顧客をガッカリさせないこと。料理教室にこだわらず、顧客のニーズを満たす事業形態を模索したのです。
