米大リーグ(MLB)・ドジャースの大谷翔平の通訳だった水原一平氏の違法賭博疑惑により、日本においても世間の耳目を集めたスポーツベッティングについて、米国における現状を、その課題も含めて考察しておきたい。
スポーツベッティングとはスポーツの試合を対象にした賭けで、米国など先進7カ国(G7)では日本を除き、ライセンスを供与された民間業者を通して行われている。サッカーや野球、バスケットボール、テニス、アメフトなどあらゆるスポーツを対象に、優勝チームなどのロングランのものから、その日の勝敗、特定の選手の結果など試合中に起こり得るさまざまな事象に対して賭けるプロップ・ペットまで、多様な賭けが提供されており、通信技術の発展により試合観戦中でもベッティングが行える。スポーツベッティングの90%はオンラインである。
そんなスポーツベッティングは、欧州では翌日の天気も賭けの対象とする根っからのギャンブル大国の英国を筆頭に早くから合法化されていたものの、米国で解禁されたのはごく最近、2018年である。
米国は清教徒の禁欲的な価値観に基づいて建国された歴史背景もあり、ギャンブルを嫌悪する声が根強く、プロスポーツ団体とNCAA(全米大学体育協会)が不正行為の温床になるとして強硬に反対もしてきた。しかし18年、ニュージャージー州が主導する法的な動きによって長年の禁止措置が撤廃され、判断は州政府に委ねられるようになった。これには「禁止しても無駄。合法化して、管理・課税するのが現実的」という考え方が反映されている。