番組の企画で、もし都知事になったら実現したい「東京改革案」を問われた。私は11年の都知事選の時に掲げた「東京の高校生の10人に1人を税金で留学させる制度」を改めて提言した。円安で若者はますます、海外を目指さない。戦略的に世界人材を育成することで、東京と日本の未来は大きく変わる。これはバラマキでなく未来投資だ。大衆迎合なら、高校生全員の授業料を無料とするほうが、親からの票がとれるだろう。大事なことは、限られた税金の費用対効果だ。
さらにもうひとつは、アジアナンバーワンの経済特区の実現だ。先日、金融・資産運用特区として北海道、大阪、東京、福岡が対象に選ばれたが、内容を見ると甘い。意識すべきはシンガポールだ。税制や規制でシンガポールより魅力的な制度を作ってこそ、はじめて世界中の企業、投資家が集まってくる。国はいずれ財政破綻するだろう。だからこそ、東京を経営する視点で、今改革モデルを作ることに大きな意味がある。
少なくとも都知事選で、国政の代理戦争が行われるのは残念だ。首相は直接選べなくても都知事は都民が直接選べる。迎合ではなく信念の政策で、聴衆を魅了する候補者に出てきてほしい。
こうした中、人口が減っていく日本より、ワタミは日々世界を意識している。コロナ禍で撤退していた中国市場に今月再進出した。焼き鳥が自慢の「三代目鳥メロ」を広東省深圳にオープンさせた。現地のブランド鶏を使い「ここの焼き鳥が一番おいしい」という声をオープン早々頂いている。次は上海に出店する予定だ。中国市場は掛け算で夢が描ける、戦うにふさわしい場所だ。
都知事選も、選挙で戦うのが上手な人でなく、世界と戦える人に登場してほしいものだ。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)
