近年、日本ではMBO(経営陣による買収)の件数が増えている。MBOとはマネジメント・バイアウトの略称であり、上場企業の経営陣が自社の株式をTOB(株式公開買い付け)などで買い戻して、株式を非公開化することを指す。
昨年だとカラオケ事業で知られるシダックスや、ベネッセホールディングス、大正製薬ホールディングスが相次いでMBOを発表している。今年もアウトドア用品大手のスノーピークがMBOを発表したことは記憶に新しい。
MBOの件数が増加傾向にある理由は複数考えられるが、そのなかでも大きな要因として、東京証券取引所が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請したことが挙げられるだろう。売り上げや利益水準だけを追い求めるのではなく、上場企業として資本コストや資本収益性を意識した経営が実践されなければ、それがPBR(株価純資産倍率)やROE(株主資本利益率)の低下として表れる。株価水準を引き上げるための具体策の開示を証券取引所が上場企業に要請するというのは異例だ。
また、いわゆる「物言う株主(アクティビスト)」の存在もその流れを加速させた。株主の期待する成長性や収益性が達成できなかったり、資本効率が悪いと判断されれば、問答無用で経営陣は糾弾されてしまう。
