2010年に死去した俳優、池部良。没後10年を記念として、東京・渋谷のシネマヴェーラ渋谷で、代表作20本を集めた特集上映が開催されている。2月7日まで。
今回は二枚目スターとして活躍していたころの作品に加え、レアもの作品も用意されている。『刺青』(1978年、聖五郎・唐順棋監督)がそれ。
劇画やデザインも手掛けた鬼才、刺青師の凡天太郎が聖五郎の名前で企画・制作・原案・監督・主演までつとめた幻の異色作。当時は東映ポルノ系映画館で上映されたため、池部のフィルモグラフィーから外されていた逸品。池部は目が見えない彫師を演じているが、実はなぜ池部が出演したのかは謎のままだ。
『私刑(リンチ)』(1949年、中川信夫監督)は終戦直後の東京でヤクザがからむ犯罪サスペンス。親分の息子を池部が演じているが、クライマックスのまさかの展開をスクリーンでご覧あれ。
『裸の町』(1957年、久松静児監督)は借金に苦しむレコード屋(森繁久彌)と高利貸し(志村喬)のだまし合いに能天気なダメ男(池部)がからんで世相を切る。杉村春子、浪花千栄子、淡島千景といった懐かしい女優陣も見もの。
『33号車応答なし』(1955年、谷口千吉監督)は新婚の巡査(池部)と先輩(志村喬)がクリスマスの夜に巡回中、殺害された死体を発見する。警視庁の全面協力の元、凶悪な犯罪をリアルに描いて傑作の誉れが高い。
上映の詳細は同館ホームページ(http:www.cinemavera.com)で。