「紀州のドン・ファン」こと、野崎幸助さん=当時(77)=の元妻としても有名だった須藤早貴容疑者(25)が4月28日朝、殺人などの疑いで逮捕された。夫を急性覚醒剤中毒にさせて殺害した容疑である。
当局は捜査の結果、夫が覚醒剤を摂取させられたとみられる時間帯には、須藤容疑者しか自宅にいなかったこと、事件前にインターネットで覚醒剤について調べていたことなどが分かったという。
私はこの「紀州のドン・ファン」にまつわる一連の事件にどうしてなのか、やじ馬根性以上の強い関心を抱いてしまう。
彼の著書には、「金と美女」という欲望の人生論が赤裸々につづられている。そんな彼を揶揄(やゆ)する方も多いが、私は彼の生き方がまったく嫌いではない。簡単な理由だ。
「金」と「美女」が嫌いな男はいないのに、99%の男は、それが「人生のすべてだ」とは言おうとしない。もっと崇高なものがあると言わんばかりだ。
だが私は思う。もしかすると、男の人生とは結局、そんなものかもしれない。男として歴史の頂点に立つアレキサンダー大王もチンギス・カンも、結局はそんなことが原動力だったのではないかと。
成り金レベルではあるが、野崎さんは男としての頂点にたどり着いた。使い切れない貯金残高と美女の肉林。それがうらやましくないという男がいたら嘘つきだ。
だが同時に私は思う。その風景の本当の感触や味はどんなモノであったか。人生の意味を知るほどに甘美であるのか、もしくはその逆なのか。ぜひともそれを知りたい。