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【長谷川幸洋 ニュースの核心】日本学術会議の任命拒否で「学問の自由」が脅かされるわけがない 税金支出する組織に民主的統治働かせるのは当然 (1/2ページ)

 日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を、菅義偉首相が拒否した。左派勢力は一斉に「学問の自由に対する侵害だ」などと反発している。本当にそうか。

 日本学術会議は「科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させる」(日本学術会議法)ことを目的に1949年に設立された。科学に関する重要事項を独立して審議し、政府に勧告してきた。

 これだけ読むと、もっともらしいが、会議には別の側面がある。一貫して力を入れてきたのは「戦争反対キャンペーン」だ。1950年と67年には「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を出し、2017年にも2つの声明を継承する声明を出している。

 任命を拒否された学者は、13年の特定秘密保護法案や、15年の安全保障関連法案、共謀罪の趣旨を盛り込んだ17年の組織的犯罪処罰法改正案に反対するなどしていた。そこから、左派は「政府に批判的な学者を除外したのではないか」と主張している。

 だが、日本学術会議の会員に選ばれないと、なぜ「学問の自由」が脅かされるのか。そんな主張こそ乱暴だ。

 別に会員でなくても、学者は自由に研究すればいい。「政府の意向を忖度(そんたく)するようになって萎縮する」という指摘もあるが、それでは「多くの学者は名誉欲しさで研究する」と言ったも同然だ。語るに落ちた話ではないか。

 また、「首相に任命を拒否する権限はない」という批判もある。だが、税金で運営されている政府機関なのに、自分たちが推薦した会員が自動的に任命され、会長も会員の互選で選ぶとなったら、政府は会議を監督できなくなる。

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