「僕が生きているうちにキカイダーが再び制作されることはないだろう、と思っていました。今まで約40年、封印されてきた作品だからね」
封印された作品とは、1972年から73年にかけて放送された石ノ森章太郎さん原作・特撮ヒーロードラマ「人造人間キカイダー」(NET、現・テレビ朝日系)のことだ。左右非対称の斬新なキャラクターデザイン、スケルトン仕様の頭部など、当時の少年たちの心をわしづかみにした作品だった。
主演で、キカイダー&ジローを演じた当時を振り返る。
「当時は新劇の劇団NLTにいたんだけど、オーディションは一切なし。たまたまプロデューサーの渡邊亮徳氏とマネジャーが親しくて『これでよろしいでしょうか』で決まっちゃった。ラッキーだったよ」
だが、子供向けテレビ番組としては冒険的な部分もあった。放送は土曜日の夜8時から。「つまり、裏番組は『8時だョ! 全員集合』というお化け番組で」
それでも、「視聴率は16%あったからね。潜在的な人気は仮面ライダーと同格だと思うんだけど、キカイダーに関しては、ホント、今まで陽の目をみなかったんだ」と自負してきた。
もはや伝説になりかけていた作品が、ついに映画「キカイダー REBOOT」(24日公開)として復活を遂げた。この新作では、謎の心理学者・前野究治郎役で出演している。役名をそのまま読むと、「前の旧ジロー」となる。大人ファンならニヤリとしてしまう遊び心だろう。
「まあ、なぜもっと早く、という気持ちもあるけど。僕的にはサナギマンでもあるからさ。耐えに耐えて忍びに忍んで、逆境には強いんだよ」と豪快に笑う。
サナギマンとは、こちらも石ノ森さん原作で、73年に放送され主演した「イナズマン」のキャラクター。打たれ強く怪力のサナギマンから、イナズマンへと変身する2段階変身が、当時は斬新だった。
「あの作品は、もう毎回、爆薬がドッカンドッカンだった。今では絶対に無理な近距離でも平気で爆発させてたなぁ。後から殺陣師が『そのへんに石ころあったら、目なんかやられちゃうよなぁ』って、すごい時代だった」
俳優生活も40年を超えた。
「僕はヒーローを演じてたけど、悪役でもなんでもやっちゃうから。今後もそのスタイルは変わらない。旧作同様に新作もキャスティングやドラマ性は抜群。ぜひ、多くの人に見てほしいね」 (永瀬白虎)
■伴大介(ばん・だいすけ) 1947年5月5日、埼玉県出身。劇団NTLに在籍していた72年に、「人造人間キカイダー」(東映・NET)の主役に抜擢され芸能界に本格的にデビュー。その後、73年の「イナズマン」(同)など特撮ヒーロー作品の主演を務め、「東の横綱・宮内洋、西の横綱・伴大介」と称される。現在も演技派として数多くのドラマ、映画に出演中。15日には映画「キカイダー REBOOT」完成披露試写会(新宿バルト9)に出演予定。





