【編集局から】韓国の司法は不思議としかいいようがない

2016.11.08

無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也元ソウル支局長 =2015年12月17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)
無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也元ソウル支局長 =2015年12月17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)【拡大】

 昨年12月、韓国ソウルにいました。記者の先輩で産経新聞の加藤達也元ソウル支局長の判決公判を取材するためでした。

 結果は当然、無罪。振り返っても奇妙な事件でした。加藤元支局長はコラム記事で、朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損したとして起訴されました。コラムで取り上げた「噂」が問題とされましたが、その噂は韓国紙から引用したものです。しかし、その元記事を書いた記者は不問に。被害者の朴氏の処罰感情も最後まで不明でした。

 判決を法廷で聞いていて、頭を何度かひねりました。問題の噂を「虚偽」としながら、記事の公益性を認めて無罪としたのです。公益性があるのは最初から分かっていたこと。「起訴する必要なかったじゃねーか」。そう心の中で思わずつぶやいたことを記憶しています。

 現在捜査が続いている国政介入疑惑では、以前からさまざまな疑惑が報じられていました。しかし、朴氏が10月25日に最初の謝罪談話を発表してから、捜査が一気に動いたのです。疑惑の人物たちが権力を失ったのを待っていたかのような行動でした。やはり、彼の国の司法は不思議としかいいようがありません。 (報道部・森本昌彦)

 

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