が、同時に球団内部では高田-中畑巨人コンビに対するやっかみがひどかった。中畑内閣には大事な投手陣を任せられる気心の知れた巨人OBの投手コーチも不可欠だったのだが…。
「オレと清が入っただけで、巨人OBが球団を乗っ取ったような騒ぎになってしまい、とても巨人OBの投手コーチを招くどころではなかった」
硬骨漢の高田GMがこう嘆くような非常事態では、チームを根本的に改造できるワケがない。巨人人気におんぶにだっこのセ・リーグ他球団なのに、肝心かなめの時には巨人アレルギーでは話にならないだろう。
その裏には、セ・リーグに初参入したIT企業のDeNAに対する地元・横浜側の根強い反発もあった。球界関係者がこう内幕を語る。
「TBSから横浜球団を買収したDeNAは本拠地を横浜から静岡に移転させる青写真を持っていた。売店収入などが球場側に有利になっており、強い不満があったからだ。そんなDeNA側の動きに対して、本拠地・横浜側の猛反発もあり、泥仕合の様相だった」
これではセ・リーグに新風を吹き込むIT企業参入どころの話ではなかった。
現在では、地元・横浜との波風は収まり、球場は東京五輪の野球会場にも決まって改装もされている。「DeNAもすっかり横浜の市民球団として定着した」と、ようやく球界内外で評価されるようになったところへの新型コロナウイルスの感染拡大だった。
交流試合、日本シリーズで勝てず、パ・リーグの引き立て役に成り下がってしまったセ・リーグ。その地盤沈下はとどまることを知らない。(江尻良文)