私自身も、30年以上前の旧車オフロードバイクを、自分の手で“レストア”しては、YouTube動画でシリーズ化している。その手の世界の正常なあり方というのは理解しているつもりだ。
高騰する前は「二束三文」で取引されていた車種も多々あり、それをリアルに知っている側としては不思議な気持ちになる。
クラシック・フェラーリの投機的高騰ならいざ知らず、その手の古い日本製オートバイは適度な予算で楽しめるジャンルであるべきだ。そうでなければいずれはブームが去り、ジャンルとしても荒廃するだろう。しかし世界的なブームでもあるので、何をしても遅きに失した感だ。
中年男性を中心として、旧車やそのレストアに熱を上げる理由とは何だろう。
私の場合、青春時代に乗っていた古いオートバイをレストアしている理由は「あの頃はよかった」的な物悲しい「懐古趣味」ではない。確かに三十数年という時間を振り返る作業ではあるが、古いものを懐かしむというよりは、古いものでも手をかけると新しくなるという「復活」の喜びを楽しんでいるのだ。
機械工作が好きという大前提が必要ではあるが、自分の知識と手間で、廃品寸前だったものが昔の輝きを取り戻す瞬間がたまらない。変えることができない時間の流れに、少しだけあらがうことができたような気分にもなる。