『ハゲタカ』シリーズで知られる社会派作家の真山仁氏が、自身初となるクラウドファンディング(ネットを通じた資金調達と共同プロジェクト)に挑戦する。 これまでの執筆スタイルを覆し、なぜ今、あえて読者を制作過程に招き入れようとしているのか。そこには、一刻の猶予もないという作家の危機感があった。
「安全神話」を壊すための共同作業
プロジェクト名は「真山仁『デフォルトピア』共同制作プロジェクト」。描くテーマは、日本の国家破綻(デフォルト)だ。真山氏は、現状の日本に漂う「財政破綻はしない」という空気を、根拠なき「安全神話」ではないかと危惧している。 この難問に挑むためには、作家一人の想像力に留まらず、多くのシミュレーションが必要だという。そこで真山氏は、従来の出版サイクルを待つのではなく、ネットを通じて同志を募り、スピード感を持って世に問う道を選んだ。
読者を「客」ではなく「当事者」へ
今回のプロジェクトの核心は、読者と共に描くという点にある。支援者には、完成後の書籍だけでなく、制作過程での「編集会議」への参加権や、出版後の謝恩会への招待、真山氏による企業経営者へのインタビューといった特典が用意されている。 これは、読者を単なる「消費者」としてではなく、日本を救うための「仲間(破綻バスターズ)」として迎え入れるための仕掛けだ。書き手と読み手が同じ側に立ち、「自分ごと」として未来を考える。そのための連帯の場を作ることが、クラウドファンディングを選んだ最大の理由である。
