そんな時に、大与党の幹事長が「ぜひ、大統領にお越しくださるよう伝えてほしい。歓迎する」と言う神経が理解できない。自民党内からろくに批判が出ないことも薄気味悪い。
安倍晋三政権時には、こうもちぐはぐな発言が幹部から出ることは稀(まれ)だった。安倍氏退陣からわずか10カ月で、自民党は多くの国民の「真意」が読めない集団になってしまったようだ。
案の定、韓国の活動家らは「日本が朝鮮人強制労働の歴史を歪曲(わいきょく)したというユネスコの決議案を世界に知らせるキャンペーンを展開する」と噴き上がっている。二階氏とその側近らはこうした情報に接していないのだろうか。
菅政権が支持率を下げるなか、二階氏のほかにもう一人、妙に元気な人がいる。東京都の小池知事だ。「勝者なき都議選」のことは先週の本コラムでも触れたが、都議選に負けなかった小池氏は、選挙後さっそく二階氏や、公明党の山口那津男代表らへの「根回し」に動いた。何の議題かといえば、東京五輪の「無観客」開催という。
どうも世間の人は勘違いしているようだが、東京五輪・パラリンピックの日本側開催責任者は、開催都市の首長、つまり東京都知事だ。総理大臣(首相)ではない。
過去の経緯をよく思い出してほしいのだが、そもそも東京五輪は、赤字だった東京の財政を石原慎太郎都政で立て直し、貯金までできたから「やろう」となった。ところが、石原都政後の東京は知事が不祥事で次々に辞任、小池氏は就任した途端、「五輪会場見直し」「豊洲移転延期」などの「小池劇場」で時間とカネを浪費した。そこへコロナ禍という流れである。