「でも、今の私なら、絶対にやめさせる。あのときの自分に『もう走るな』と言います」と笑ってみせた。
この後、見事に復活し、大阪女子は2度制覇することになる。
「それにしても、(競技人生を)22年も続けるなんて」
青森の高校を卒業して以降、脇目も振らずの毎日。苦い思い出と言えば、04年、アテネ五輪の10000メートル。27人中26位と惨敗した。
「初の五輪だったのに悔しくて、申し訳なくて」
うちひしがれているとき、高校陸上部の恩師からこう言われた。「負けたことに負けるな」。この言葉に救われ、「このままじゃ終われない」と決意したという。
選手としてはゴールテープを切った。だが、人生のマラソンは、まだ折り返し地点にさえ到達していない。つまずいたり、転んだりすることもあるだろう。それでもくじけずあきらめず、必ず起き上がり、前へ。全力で走り抜くつもりだ。
■福士加代子(ふくし・かよこ) 元マラソン選手。1982年3月25日生まれ。40歳。青森県出身。県立五所川原工業高校卒。2000年、ワコール入社。02年に女子陸上3000メートル、5000メートルで日本新記録をマーク。04年のアテネから16年のリオまで夏季五輪4大会連続出場。日本長距離界の女王と呼ばれた。
ペン・波多野康雅 カメラ・鳥越瑞絵 レイアウト・高木洋平