何度も劇場で「スラダン」を楽しんだ観客には試合終了のシーンで席を立つ人も少なくなかった。こういうファンはスポーツ観戦の感覚のようだ。いずれにしても韓国では映画のチケットも数年前と比べて高くなった。かつて日本円で800円ほどだったチケットも、いまやシネコン最大手の週末料金は1500円。1本の映画のために何度もチケットを購入できる層は余裕のある人たちといえる。
そんな「スラダン」を抜いた「すずめの戸締まり」だが、人気の一つに新海誠監督のキャラクターが韓国で愛されていることも影響している。新海監督は大の韓国好きとしても知られ、自身の名を韓国語でサインしたり、韓国人と同じしぐさでラーメンを食べたりと〝韓国愛〟の強さがたびたび話題に。韓国人ファンの中には「500万人を突破すれば、また新海監督が韓国に来てくれるかも」と期待して劇場に通う人もいた。
日本のアニメ映画が勢いを見せる中、韓国では「かがみの孤城」も公開され、ソウル市内の書店でイベントが行われていた。かつて「NO日本」と大騒ぎしていた反日感情も、今じゃ〝好日〟感情になっている。
■児玉愛子(こだま・あいこ) 韓国コラムニスト。韓流エンタメ誌やガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係のコラムを寄稿している。